ごあいさつ

 1996年より、任意団体・モンゴル情報紙しゃがぁ編集室として、「モンゴルとはいかなる土地であり、どのような人々が、どのように暮らしているか」を広く日本に知らしめることを目的に活動を行ってきましたが、これら活動をより発展させ、いままで以上に多くの人々にモンゴルについて知ってもらうこと、また、同時にモンゴル民族のみならず周辺諸民族、カザフ民族やトバ民族などの生活文化をも活動対象としていくこととし、NPO「北方アジア文化交流センター・しゃがぁ」を2008年に設立しました。(以下、NPO法人しゃがぁ)

 北方アジアという土地は日本ではあまりなじみもなく、アジアと言えば中国大陸があり、その北方にはシベリアがあるという理解が依然として大勢を占めています。とはいえ、近年、「モンゴル」という言葉を日本国内で耳にする機会は、以前とは比べものにならないくらい増えました。テレビ、マスコミなどで取り上げられる機会も大変多くなっています。日本人は古くより、様々な形で関わりがあった「モンゴル」であるためか、好意的にモンゴルと接する傾向があるようです。

 そんなモンゴルではありますが、モンゴル高原を中心とした北方アジア地域について、自然環境、民族構成、文化、生活習慣などのほとんどは、日本側が一方的にイメージをふくらませて理解したつもりになっているばかりのようです。顔が似ているからと、モンゴル人に対して、日本人にすると全く同じに関わった結果、摩擦を引き起こしてしまったという例も多く耳に入ります。

 つまり、まだまだ、我々日本人は北方アジアのことを知らないのです。社会主義であったこと、冬期はきわめて寒冷であることなどから、北方アジアの実際とほとんどふれることのないまま、現在に至っていると思われます。

 任意団体であった頃から、これらの問題には注目し、機会を得られるごとに、「モンゴル」について知り得た情報を流し続けてきました。「おつきあいをするのであれば、相手のことをよく知るべきである」ということを信条にしてきました。しかし、力不足であったことは否めません。まして、モンゴル民族以外の北方アジア諸民族の情報については、日本では皆無ともいえる状況にあります。

 これからより深まって行くであろうモンゴルとの関係、また急激に進むグローバリゼーションは、否応なく日本人とそれら地域の人々との接触の機会を増やしていくでしょう。 

 そんな流れの中であるからこそ、国土が狭く、島国に暮らし、外国文化と直接に触れる機会が歴史的に少なかった日本人が、広大な大陸で、常に異民族・異文化とふれあい、切磋琢磨してきた北方アジアの人々の生き方から学ぶべきは多いと考えます。北アジアの遊牧民たちの価値観や世界観は我々日本人にとって大変新鮮であると同時に、従来の考え方に新しい活路をも与えてくれるものとなるでしょう。

 NPOしゃがぁは、北方アジア諸民族との交流に際し必要と思われる情報を総合的、多角的に人々に提供すること、そして、本当の意味での異文化理解と国際協調を深めていくための機会を創造していくことを使命とします。特に、次世代を担う子供たちに対して、早い時期より異文化体験の場を提供していくことで真の国際人育成に寄与し、さらに志を同じくする個人、団体の活動支援をしていきます。

NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁ
理事長 西村 幹也